2009年04月13日
春リンドウとおれおれ詐欺
大森の八竜緑地へ、春リンドウの様子を見にいった。
薄紫のかわいらしい花が、一面に宝石をちりばめたかのように、あるいは夜空に輝く星のように、湿地帯いっぱいに咲いていた。
とてもきれいだ。
訪れる人も少なく、出会ったのは、一人でおにぎりを食べていた人と、夫婦連れ一組だけだった。
一人で来ていた人は、とてもシャイな人らしく、挨拶も一言だけで、すぐに自分の世界に入っていかれた。天気もよく、気候は暑くも寒くもない、そして静かな自然に囲まれて、孤独を楽しむのもまた一興か。夫婦で来ていた人とは、「もう、シデコブシは終わっていますね。」などと短い会話をかわした。
まだ、おたまじゃくしの季節にはなっていないらしく、池におたまじゃくしは一匹もいなかった。
夜、一本の電話がかかってきた。
めったに電話をかけてこない息子が、「携帯をトイレに落としたから、番号が変わった。メモしてくれ」と妻にいう。妻は一生懸命、それを広告紙の切れ端にメモしている。
横から、私が「電話を代われ」といって、電話に出て、「どこからかけているのか」と聞くと会社だという。今日は日曜日だ。「どこにある会社か?」と聞くとあいまいな返事になる。強く聞くと「何で怒っているのか」などと言い出す。
これは怪しいと思って、電話を切ってから、息子のもともとの電話番号にかけると、留守電になっている。そこで、さっき教えられた電話番号に電話をかけて、「誰にかかった?」と聞くと、「何を言っている」とか「聞こえない」とか言って、ぷっつり電話を切ってしまう。
いよいよ怪しいと思い、時間をかけて何度も息子のもともとの電話番号にかけると、やっと息子が電話に出て、「そんな電話はしていない」という。
これで、完全に「おれおれ詐欺」と判明した。
妻だけだったら、ひっかかっていたかもしれない。疑り深い亭主がそばにいたから、大事に至らなかった。
今の世の中、「疑り深い」ことは、美徳であり、余計な被害にあわずに生きてゆくための大切な知恵となってしまった。
困った世の中だよ。
麻生さん、小泉さん、安部さん、福田さん。あんたたちの責任は大きいよ。
後で、警察に電話し、「不審電話がかかってきた」ことと、その電話番号を通報しておいた。